本草薬膳学院

第23回世界中医薬大会がシンガポールで盛大に開催されました ~本草薬膳学院 辰巳洋学院長が出席~

2026.10.21記事

<第23回世界中医薬大会がシンガポールで開幕>

2026年10月17日、世界中医薬学会連合会(以下「世界中連」)が主催し、シンガポール中医師公会が運営を担う「第23回世界中医薬大会」が、シンガポールで盛大に開幕しました。大会は10月16日から18日までの日程で開催されました。

今回の大会は、「世界の健康課題に対応し、中医薬を各国の医療・保健システムに深く融合させることを推進する」をテーマに開催されました。

中国、シンガポール、アラブ首長国連邦、オーストラリア、ブラジル、ドイツ、ロシア、フランス、フィリピン、ルーマニア、マレーシア、アメリカ、南アフリカ、日本、スイス、タイ、ウクライナ、スペイン、ニュージーランド、インドネシア、イギリス、ベトナムなど、世界25の国と地域から、1,400名を超える中医薬の専門家、研究者、政府関係者、産業界の代表者が参加しました。

開幕式では、世界中連主席の馬建中氏が挨拶し、中医薬の国際的な普及と発展について報告しました。

馬主席によると、中医薬は現在、世界196の国と地域に広まっています。また、世界保健機関(WHO)の統計では、113の加盟国が鍼灸などの中医薬診療技術の使用を認め、29の加盟国が中医薬の適正な使用に関する法律・規制を制定し、20の加盟国が中医薬を自国の医療保障制度に組み入れているとのことです。

世界中連も国際的な活動を広げており、現在、世界78の国と地域に307の団体会員を有しています。WHO、ユネスコ(国連教育科学文化機関)、国際標準化機構(ISO)との正式な協力関係を構築するとともに、2021年には国連経済社会理事会から「特別諮問資格」を取得しました。

本大会では、36の分科会が設けられ、4つのテーマ講演と330件の学術報告が行われました。世界各国における中医薬の最新研究成果や臨床経験が紹介され、学術交流と国際協力をさらに深める貴重な機会となりました。

 

<シンガポールにおける中医薬の発展と医療への融合>

開幕式では、シンガポールの王乙康保健相兼社会政策調整担当相も挨拶し、中医薬が各国の医療システムに取り入れられつつあり、中医学と西洋医学の融合がますます注目されていることを述べました。

シンガポールでは、2000年に「中医執業者法」が制定され、2001年には中医管理委員会が設立されました。これにより、東南アジア地域の中でも早い段階から、中医師の法定登録制度が整備されました。

また、中医師の登録管理に加え、国内の人材育成制度の充実や「全国模範中医師賞」の創設など、中医薬の発展に向けた取り組みが進められています。

現在、シンガポールでは、主に次の4つの分野に重点を置いて、中医薬と医療・保健制度の融合を推進しています。

 

1.教育の充実

南洋理工大学では、中医学の学士課程に加え、修士課程も開設されています。また、北京中医薬大学との共同によるAI(人工知能)研究所も設立され、中医薬教育と先端技術を融合させた研究が進められています。

2.医療機関の認証制度の整備

初めて5つの医療機関が「認証中医診療所」として認定されました。さらに、中医師が患者にX線検査を指示できる範囲を拡大する方針も示されており、医療現場における中医薬の役割が広がりつつあります。

3.エビデンスに基づく統合医療の推進

頸部痛や腰痛に対する鍼治療は、すでに補助金の対象となっています。

また、「中医統合サンドボックス」と呼ばれる試行的な取り組みでは、18件の提案から7件の鍼治療に関する試行事業が選ばれ、中医学と西洋医学の連携に向けた検証が進められています。

4.予防医療の推進

国家的な健康増進戦略「Healthier SG(健康SG)」と連携し、中医学の重要な考え方である「治未病」の普及を進めています。すでに30件の協働ケアに関する提案が寄せられており、病気の予防や健康維持に中医薬を活用する取り組みが広がっています。

王保健相は、今回の大会を通じて各国が知識や経験を共有し、それぞれの優れた取り組みを参考にしながら、開かれた姿勢で患者のケアの向上に取り組むことの重要性を強調しました。

中医学と西洋医学が互いの特長を尊重し、患者の健康と生活の質の向上に向けて協力していくことが、今後の統合医療の発展につながると期待されています。

 

<世界中連 第5期理事会・常務理事会および監事会 第6回全体会議が開催されました>

大会期間中の10月18日には、世界中連の「第5期理事会常務理事会第6回全体会議」および「第5期監事会第6回全体会議」が、シンガポールで開催されました。

会議では、馬建中主席が第5期理事会の活動報告を行いました。

報告では、過去1年間における国際機関との交流・協力、学術分野での取り組み、国際標準化の推進など、世界中連の活動成果が体系的に振り返られました。

また、現在の国際情勢や中医薬を取り巻く課題を踏まえ、今後の重点的な活動方針として、組織運営体制の充実、学術交流の促進、国際基準の整備、国際機関との協力関係の深化などが示されました。

出席した理事および監事は、活動報告をもとに活発な議論と意見交換を行い、今後の活動方針について認識を深めました。

続いて、世界中連の事務総長補佐である王晶氏から理事会メンバーの人事調整について、同じく事務総長補佐の焦云洞氏からは分支機構の組織調整案について、それぞれ報告が行われました。

さらに、2027年8月13日から15日まで英国・マンチェスターで開催される「第24回世界中医薬大会」について、英国・蘭中医学院院長の湯淑蘭氏と劉北南氏が、開催準備の進捗状況を共催側を代表して報告しました。

 

今回の会議は、実務的かつ効率的な雰囲気の中で進められ、予定されたすべての議題が順調に終了しました。

これにより、世界中連の今後の活動方針が一層明確になり、組織としての共通認識が深まるとともに、次の段階に向けた重要な取り組みや第24回世界中医薬大会の開催準備を進めるための確かな基盤が築かれました。

 

◆本会議には、世界中医薬学会連合会の執行委員を務める、本草薬膳学院の辰巳洋学院長も出席しました。

 

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