本草薬膳学院

「AI時代を迎え、中医薬の知恵で未来を健康にする」

2026.07.01記事

2026年6月26日から28日まで、中国・浙江省杭州市において、第1回世界中医薬人工知能大会が開催されました。

本大会は、世界中医薬学会連合会が主催し、浙江中医薬大学が運営を担う国際大会です。「AI時代を迎え、中医薬の知恵で未来の健康を支える」をテーマに、人工知能(AI)と中医薬の深い融合、そして今後の発展の方向性について、世界各国の専門家による活発な議論が行われました。

大会には、中国、オーストラリア、フランス、フィリピン、カナダ、アメリカ、日本、タイ、シンガポール、イタリアなど、世界28か国・地域から約800名の中医薬専門家が参加しました。

開会式には、世界中医薬学会連合会会長の馬建中氏、浙江中医薬大学党委書記の王斌氏、世界保健機関(WHO)伝統医学部門の上級技術責任者である李亜嬋氏、浙江省政治協商会議副主席の王昌栄氏が出席し、挨拶を行いました。

また、中国工程院院士であり、世界中医薬学会連合会副主席の張伯礼氏がビデオメッセージにて祝辞を述べました。開会式は、世界中医薬学会連合会副主席兼事務局長の李昱氏と、浙江中医薬大学校長の陳忠氏により進行されました。

開幕式では、「世界中医薬人工知能発展杭州宣言」の発表式も行われました。この宣言は、第1回中医薬人工知能大会の重要な成果として、中医薬における人工知能発展の基本原則、重点分野、国際協力の方向性を体系的に示すものです。あわせて、データセキュリティの強化、標準化の推進、オープンな情報共有、倫理規範の整備の重要性が呼びかけられました。これにより、世界の中医薬分野におけるスマート化・デジタル化の発展が、国際的な協働の新たな段階に入ったことが示されました。

大会では、中国科学院院士の陳凱先氏が「AI技術革命の機会を捉え、中医薬の『未病治』と健康サービスの革新・発展を推進する」と題して講演を行いました。また、国際原子力科学アカデミー院士の張勤氏は「信頼できるAIによる中西医臨床診断支援」について、欧州科学芸術アカデミー院士で清華大学教授の李梢氏は「AI、ネットワーク薬理学と中医薬の革新・発展」について、浙江大学特任教授の程翼宇氏は「AI製薬ロボットの研究進展」について、それぞれ報告を行いました。

さらに大会期間中には、「伝統医薬無形文化遺産作業委員会 古籍デジタル化に関する専門セミナー」、「中医薬デジタル教育とデータ駆動型イノベーション分会場」、「中医薬AIの形神一体とデータドリブン中薬解析分会場」など、合計16の学術報告分会場が設けられました。各分会場では、中医薬の継承、教育、研究、臨床、データ活用、AI技術の応用など、多岐にわたるテーマについて専門的な発表と意見交換が行われました。

また、会議期間中には、第5回理事会、常務理事会、監事会の全体会議も開催され、国際的な社会組織としての規約整備について協議が行われました。あわせて、今年開催予定のシンガポール中医薬大会に関する準備報告や、2027年世界中医薬大会の開催候補地として、イギリスおよびカナダによるプレゼンテーションが行われました。投票の結果、2027年の開催地にはイギリスが選ばれました。

本草薬膳学院の辰巳洋学院長も、本大会ならびに全体会議に出席いたしました。

今後も本学院では、伝統中医薬の知恵を大切にしながら、AIやデジタル技術の進展を視野に入れ、薬膳教育のさらなる発展と国際的な学術交流に努めてまいります。

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