本草薬膳学院

【公開講座】2022年「イタリア薬膳料理講座(第4回)」が行われました!

2022.12.20公開講座

 2022年公開講座『新田先生のイタリア薬膳料理講座』の第4回目が行われました!

今回のテーマは疲れ対するイタリア薬膳」。

中医学で『疲れ』は内臓(五臓六腑)の力が消耗して現れる症状と考えられています。

疲れには「肉体疲労」と「精神疲労」があります。原因は、虚弱体質、過労、不適切な飲食、不規則な生活習慣、ストレス、病気や病後、老化などが考えられます。

何かが不足して、内臓が十分に機能しない(虚証)と考えられるので、
不足しているものを補い、内臓の働きをよくすることが大切です。

疲れは病気の前触れかもしれません。
体のSOSに耳を傾けて養生し、未然に病気を防ぎましょう。

こちらの講座は調理実習前にその日のテーマに関する中医学理論の講義がありますが、難しい中医用語は新田先生がわかりやすくかみ砕いて説明してくれますので中医学・薬膳初心者の方でも安心して受講できます。また、受講者様は薬膳を日々の生活に気軽に取り入れたい方、既にお料理教室を主宰されていらっしゃる方、イタリア料理のシェフ、イタリア語翻訳家、飲食店経営者などバラエティー豊かな方々であり、年齢層も幅広いため毎回、和気あいあいと楽しい交流の場となっております。

理論の後はいよいよ調理実習です。
それぞれの疲れのタイプにあったおすすめ食材を使用した下記メニュー4品を作りました。

☆にんじんのフラン

薬膳ポイント:血を補い精神を安定させ、陰液を補い体を滋養する。

フランは卵と牛乳を加熱して固めたもので、甘いデザートもあります。
まずはみじん切りにした玉ねぎ、次に半月切りにしたにんじんを塩・こしょうで炒め、
その後、水や牛乳を加えて蒸し煮にし、パルミジャーノを入れて冷ましておきます。

溶いた卵を加え、フードプロセッサーにかけてなめらかにし、型に入れます。

 

型は予め、バターを塗り、パン粉をふってはたいておきます。

15分蒸したら、皿に返し、タイムの葉を散らします。

今回はXmasを意識して、ピンクペッパーとイタリアンパセリを飾りました。
カラフルでクリスマスにぴったりな色合いは楽しい気分を盛り上げてくれますね♪

にんじん:血を補い、体の乾燥を潤し、目を養う。咳を止める。消化を促進する。
卵:乾燥を潤す。血を補い、精神を安定させる。消化器官の働きをよくする。
牛乳:陰液を補い、体を滋養する。胃を潤す。

☆かぼちゃクリームのペンネ

薬膳ポイント:気を補い、消化器官の働きを高める。

みじん切りにした玉ねぎと細かくしたセージを塩を加えながら炒めます。
かぼちゃを加えて炒めたら、水を加えて蒸し煮にし、フードプロセッサーにかけてクリーム状にします。

1㎝角に切ったパンチェッタを炒め、出来上がったかぼちゃクリームとパスタのゆで汁を加えて温めておきます。

パンチェッタはイタリア語で「豚バラ肉」という意味で、塩漬けした豚のバラ肉をじっくりと熟成させた加工肉のこと。豚バラ肉本来のおいしさがぎゅっと凝縮された旨みと強い塩味が特徴で、濃厚な味わいに仕上げることができます。こちらのメニューは生クリームを使用していませんが、十分コクのある味になりました。

上記にゆであがったペンネを加え、和えます。
水分が足りないようであればゆで汁を加えるとよいでしょう、と新田先生。
20人分ともなるとパスタを混ぜるのも力仕事ですね・・・

火を止めて、パルミジャーノを加え、混ぜ合わせたら完成!

かぼちゃ:気を補い、消化器官の働きを高める。
玉ねぎ:気を巡らせて消化を促進する。

☆栗とプルーン入りチキンロール

薬膳ポイント:気と血を補い、消化器官の働きを高める。

こちらのメニューもパンチェッタを使いましたが、なんと!新田先生の手作り品。
豚バラ肉に粗塩とハーブをまぶして2日間置いたものだそうです。

本格的なパンチェッタではありませんが、市販のパンチェッタに比べ安価ですし、
難しい工程なく作れ、幅広いレシピに活用できるのでストックしておくのもいいですね。

玉ねぎ、パンチェッタを順に炒めたら、オーブンシートの上に鶏もも肉を広げ、
脂肪や筋を取り除き、肉たたきで平らにして塩、こしょうをふりかけます。

ボウルに鶏ひき肉、フェンネルシード、炒めた玉ねぎ等を入れ、よく混ぜ合わせます。
つなぎには卵やかたくなったバゲットを牛乳に浸したものを使用しています。

叩いた鶏もも肉に混ぜた鶏ひき肉をのせ、全体に広げ、むき栗とプルーンを均等にのせます。

鶏肉を巻く時のコツを新田先生がデモンストレーションしてくださいました。
皆様、ご自宅でも出来るよう、熱心にご覧になられていました^^

オーブンシートを使い、手前からきっちりと締めながら巻きます。

巻き終わったものはたこ糸で縛り、耐熱皿にチキンロールとくし形に切ったじゃがいもと
赤玉ねぎ、ローズマリーを入れ、軽く塩をふり、オリーブオイルを回しかけ、オーブンで焼きます。

ローズマリーはお肉との相性がよく、香りづけや香辛料の役目もしてくれるおすすめのハーブです。
鶏肉が焼ける香ばしいジューシーな香りにローズマリーの爽快感も加わり、教室中に美味しそうな香りが漂いました。

焼きあがったチキンロールの熱が取れたら、1.5㎝くらいの厚さに切り分けて完成!

鶏肉:お腹を温め、消化機能を高める。気と血を補う。腎を養い、精を補う。
栗:消化器官を養う。腎を補い、筋や筋肉を強くする。
じゃがいも:気を補い、消化器官の働きを高める。便通を促す。
玉ねぎ:気を巡らせて消化を促進する。

☆金柑のケーキ

薬膳ポイント:気の巡りをよくして、うつを解消する。

卵、きび砂糖、しょうが、蜂蜜などに米粉を加えて混ぜ合わせたものに溶かしバターを入れ、
手早く混ぜた生地を型に流します。

金柑のコンポート(今回は時間の関係で新田先生が事前にご準備)を切り口を上にして並べオーブンで焼きます。
オレンジ色が鮮やかで断面も美しく、金柑の魅力が引き立ちます。
金柑は手に入る時期が限られていますので旬な時期には是非取り入れていただきたい食材です。

 

焼きあがったら熱いうちに金柑の煮汁をハケで塗り、食べる直前にピスタチオをふります。

程よい柑橘系のさわやかな酸味の爽やかさと甘酸っぱさ 、またほのかな苦みが絶妙な
米粉を使った金柑ケーキができました!

金柑:気を巡らせてうつを解消する。痰を取り除く。

粳米:気を補い、消化器官の働きを高めます。
しょうが:発汗を促し邪気を出す。肺を温めて咳を止める。

☆疲れのためのハーブティー

マテ、ローズヒップ、ハイビスカスにお湯を注ぐだけで簡単に作ることが出来ます。
こちら3種類はどれも疲労回復の効果が期待できるハーブです。

ほどよい酸味と甘みが口の中で広がり、鮮やかな色合いが心の疲れも癒してくれることでしょう。

 

さて、春からスタートした2022年新田先生のイタリア薬膳料理講座ですが、
今回も多数の方にお申込みをいただき、満席となりました。

次回の講座は下記の通りとなります。

日時:2023年2月27日(月)10:00~13:00
場所:本草薬膳学院 教室
テーマ:冷え性に対するイタリア薬膳
受講料:6,000円

※既に満席となっておりますが、キャンセル待ちにて受付可能です。

6回目(2023年4月24日)はお席に若干余裕がございますので

ご興味がある方はお早めにお申し込みいただくことをおすすめいたします。

お申込み方法:下リンク先よりお申し込み書をダウンロードの上、必要事項をご記入いただき期日までにFAX、郵送、メールにて学院までお送りください。

イタリア薬膳料理講座申込書

または、公開・特別講座申込フォームからのお申込みも可能です。

講座内容:

(2022年3月現在)

日付 申込み締切日 講座内容
1 2022年6月27日 6月20日 不眠に対するイタリア薬膳
2 8月22日 8月15日 頭痛に対するイタリア薬膳
3 10月24日 10月17日 めまいに対するイタリア薬膳
4 12月12日 12月5日 疲れに対するイタリア薬膳
5 2023年2月27日 2月20日 冷え性に対するイタリア料理
6 4月 24日 4月17日 うつに対するイタリア薬膳

お申込みをいただいた方には開講が決定次第、改めましてメールにてご連絡を差し上げます。

開講決定後にお振込みいただいた受講料は返金出来ません。食材準備の関係上、キャンセルは3日前までにお願いしております。3日前以後のキャンセルは後日レジュメ渡しとなります。予め、ご了承ください。


講師:新田 玲子

@reiko_nitta

イタリア料理家、国際薬膳師・国際薬膳調理師、イタリア語講師。通算8年イタリアで暮らし、滞伊中、イタリア家庭料理研究家、野尻奈津子氏より料理を学ぶ。帰国後2005年よりイタリア料理の会「TIRAMI SU’(ティラミス)」を主宰。2010年より本草薬膳学院にて公開講座として薬膳イタリア料理講座を年6回受け持ち、薬膳イタリア料理レシピは200以上にのぼる。

2020年『イタリア薬膳ごはん 体の不調とおさらばできる』講談社 イタリア食文化文筆・翻訳家 中村浩子共著出版。好評発売中!

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