北京中医薬大学付属病院 見学レポート |
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- 病院見学レポート 河本壽惠乃
6月28日午後2時過ぎ、北京中医薬大学付属東直門医院の裏門でバスを降りた。門から病棟までの道のりを歩いていると、劉先生が学生寮を指して「あそこの8階にいました。懐かしいです。」と説明してくれた。病棟に着くと2班に分かれて見学することになり、私たちの班は4階へ行った。心脳血管内科である。内科担当の魯主任医師が迎えてくれた。先ず病室を見る。そこは20㎡くらいの部屋でトイレ付だ。続いて重症患者のCCUの見学。廊下の入り口で簡単に説明を聞いてからすぐ階段口へ出た。
質疑応答がされた。(通訳は劉先生)「病院の食事について」―――この病院は470床で栄養士は3名、その内1名は薬膳師です。医師の処方により薬膳メニューを作っています。「CCUで見た黄色の湯液は?」―――あれは活血化?の湯液で川?、金銭草等入っています。重症の人は中西医統合、その他の人は中医中心です。「中国では心血管内科の患者は多いのですか?」―――多いです。第1位はガン、第2位は心臓です。日本と同じようです。「夕食の時間は?」―――5時半から6時です。消化器科の脾胃の病気は薬膳料理が多く出ます。「西洋薬と、中薬を相互使用する場合は?」重症の場合西洋薬中心ですが、慢性の場合は中薬中心にします。相互使用する場合は30分間位、間をおいて用います。「なぜ。薬膳師が1人だけなのですか?もっと多いと考えていたのですが。」―――家で作った食事(医師の指導のもと)を持ってくる事も多くあるのです。それは社会的通念の違いです。
この階段口は冷房が効かず、全員汗だくで熱心に質問と応答が続いた。次に1階の営養食堂へ移動した。テーブルが6台に、椅子が30位あり、隅にカウンターがあって、町の食堂風であった。壁には、料理の写真がある。営養課長の劉維民先生と武金華医師から説明を受けた。「病院は創立47年、治療は中医中心、食事は西洋プラス中医です。現在も養生の効果等、研究中です。高血圧、腎臓、糖尿、心臓等は治療30%、養生70%です。退院した人に毎月50~100人に指導しています。定期的に薬膳の知識を教えています。壁にあるのは1番多く使われているメニューです。」
病院内は、CCUであってもゆったりと時間が流れており、体内に管のつながった日本のCCUと比べて、患者のクオリティ・オブ・ライフはどちらが高いのかと、考えさせられました。
最後に私達の見学のために、時間と労力を下さった病院スタッフの皆様にお礼申し上げます。
※CCU:集中治療室