去る2010年5月27日に北京中医薬大学・中国薬膳研究会は本草薬膳学院・日本国際薬膳師会・本草薬膳研究会・東京栄養士薬膳研究会・日本国際中医師会との共同で北京中医薬大学のキャンパスにおいて「2010年度中日薬膳学術シンポジウム並びに国際薬膳師(士)資格証書授与式」が行われました。
 北京中医薬大学と本草薬膳学院は2009年に提携校として契約した際に、中医学に基づいた薬膳の普及と発展のために中国と日本が互いに協力し合い、これから新しい活動を始めていこうという提案がありました。この提案は中国薬膳研究会より高い賛同をいただき、また日本の多くの中医学、薬膳学団体にも積極的な支持をいただきました。そして、今回のシンポジウムの開催を企画するに至りました。
 開幕式に中国教育部国際交流司・国家中医薬管理局国際交流司の代表がご臨席しました。北京中医薬大学高思華学長、中国薬膳研究会周文泉会長、本草薬膳学院顧問・日本国際薬膳師会鷲見美智子副会長が大会の開催に祝辞を述べました。本草薬膳学院がここ数年正式に出版している『実用中医学』『実用中医薬膳学』『薬膳の基本』『薬膳素材辞典』『中医専門用語辞典』、そして日本国際薬膳師会の五周年記念行事のために作った『記念誌』『薬膳レシピ集』と日本の伝統工芸品である「赤富士」「桜」を北京中医薬大学と中国薬膳研究会にそれぞれ別々に贈呈しました。
「薬膳は未病医学における作用」のテーマであるシンポジウムに、中国で最も早いうちに薬膳を提唱してこられた78歳になられる翁維建教授が『薬膳は治未病における応用』の特別講演が行なわれました。また、北京中医薬大学周儉教授が『薬膳と保健』、中国薬膳研究会副秘書長の羅増剛教授が『四季養生における薬膳の応用』というそれぞれの講演をなさいました。日本側には日本国際薬膳師会副会長・東京栄養士薬膳研究会会長である管理栄養士の海老原英子先生が『現代栄養学と中医薬膳学併用の考察』を講演し、日本国際中医師会会長・ルウ研究所所長である工学博士の石塚庸三氏が『うろこからコラ―ゲン』にと題した講演をしました。各講演された先生方は中国と日本の中医薬膳学、栄養学と薬膳学、季節と薬膳の関係などの内容について講演し、薬膳学は今のやこの時代に健康維持にとても重要な役目を果たしていることを強調しました。
国際薬膳師(士)資格証書授与式に中国薬膳研究会副会長である高普教授は2010年国際薬膳師資格合格者を発表しました。引き続き中国薬膳研究会周文泉会長が出席した合格者1人1人に「国際薬膳師資格証書」を授与しました。11期卒業生の石川宏子さんが合格者を代表し、感謝の言葉を述べました。
北京中医薬大学は薬膳分野も重視し、キャンパスに「薬膳私房菜」という食堂を設置しています。オーナーチェンジで営業していなかったため、学生食堂で薬膳食事会を開きました。
中国民政部が許可した唯一の権威のある中医薬膳学団体である中国薬膳研究会は一級学術団体として、国家中医薬管理局・中国科学技術部の委託を受け、近いうちに「薬膳師に関する資質」の決定を公布する予定です。
本草薬膳学院は中国薬膳研究会と2001年に契約してから、10年間薬膳学を中心して、中医基礎、診断、中薬、方剤、臨床各科、経典などの教育内容を組み合わせ、理論教育とともに薬膳料理の実習にも力を入れて理論と実技をもつ専門家を教育してきました。薬膳の専門家である「国際薬膳師」「国際薬膳士」「国際薬膳調理師」を養成し、中国薬膳研究会の合格者は現在300名以上送り出して来ています。5年前、国際薬膳師(士)、「国際薬膳調理師」を取得した同志達が「国際薬膳師会」を設立しました。会員のみなさんは年齢も職業も違いますが、薬膳学についての学習・資格は同じです。日本での薬膳学の普及、展開のためにお互いに知恵を合わせて努力しております。
今回北京中医薬大学・中国薬膳研究会と共同で開催した「中日薬膳学術シンポジウム」を通じて、私たちが日本での薬膳学活動をさらに促進し、国際交流をさらに深く継続して行きたいと思います。

 
     
     
 

1.高思華校長のご挨拶
2.周文泉会長のご挨拶
3.旅行:鷲見先生挨拶文

   


  




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