風疹(風痧)

風疹は冬・春に流行する伝染病です。 5歳以下の小児の発病率が高いが、妊娠3ヶ月以内にかかると胎児に影響し、畸形になりやすいです。

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メカニズム

風熱時邪が口鼻から→肺衛に蘊結(集結)→気血が邪気と戦い→皮膚に発生する

風痧時毒の毒性が軽いので、最初に微熱、鼻水、軽い咳があり、発熱の当日からまたは2日目から全身に細かい赤い疹が出て、1~2日以内で全身に透発するが手足の裏には少ないかぜんぜん発疹しない。
2~3日消失、色素沈着はない。
耳後・枕部のリンパが腫れ、圧痛がある。
臓腑に影響することは少ない。
予測は良好。

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 治療

1.邪蘊肺衛

【症状】
発熱・悪風・くしゃみ・鼻詰まり・鼻水・軽い咳・精神不振・食欲はない。 舌質紅苔薄白

疹色 : ピンク色・細かい・稀疎・痒み。

発疹順番 : 頭顔 → 体 → 四肢

【分析】
風熱時邪が肺衛に侵入する

【立法】
疎風清熱

【方剤】
銀翹散(銀花、豆豉、連翹、薄荷、桔梗、芦根、甘草、竹葉、荊芥穂、牛蒡子)

【食薬】
辛涼解表類・清熱類

 

2.邪熱熾盛

【症状】
高熱・のどが渇く・煩躁・疹色は鮮やかな紅・紫暗・尿少・尿色が濃い・舌質紅舌苔黄糙

【分析】
風熱時邪が気分・血分に影響する。

【立法】
清熱解毒

【方剤】
透疹清解湯(桑葉・甘菊・薄荷・連翹・牛蒡子・赤芍薬・蝉蛻・紫花地丁・黄連・サフラン)

【食薬】
辛涼解表類、清熱解毒類

こどもの疳証(かんしょう)

 疳証は5歳以内の小児が養育不当または病気の影響で脾胃を傷め、気液を消耗される慢性的な病症の1つです。 疳証は疳積ともいいます。 疳は甘いという意味があり、甘いもの・美味しいもの多食によって発生したことを意味します。 疳のもう一つ意味は乾で、消痩、肌膚乾燥のような気血津液の不足症状です。

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病因・メカニズム

 養育不当、飲食不節、偏食、慢性下痢、長期嘔吐、吐き気などの原因で脾胃を傷め、水穀精微(栄養分)の生成が不足になり、気血を養わず、ほかの臓腑にも影響を与える。

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治療

1.疳気

【症状】
顔色が黄色、少し痩せる、髪の毛がすこし少ない、元気がない、食欲不振・拒食、イライラ、下痢または便秘、舌苔薄・微黄 

【分析】
飲食の不注意により脾胃気虚、運化低下、土虚木旺

【立法】
和脾健運 

【方剤】
資生健脾丸(白朮、人参、薏苡仁、桔梗、山楂子、山薬、麦芽、茯苓、黄連、白豆蔲、沢瀉、藿香、炙甘草、蓮子、扁豆、陳皮、砂仁、橘紅、芡実)

【中薬】
補気 : 人参、党参、山薬、黄耆、白朮、大棗、飴糖、蜂蜜
理気消食 : 香附、陳皮、厚朴、砂仁、山楂子、神曲、麦芽、枳殻

【食材】
補気 : 長芋、じゃがいも、干し椎茸、栗、鶏肉、豚の胃袋、牛肉、たうなぎ、粳米

 

2.疳積

【症状】
顔色が萎黄、元気がない、痩せる、脘腹膨満、血管が目立つ、毛髪少ない、元気がない、眠いが眠れない、食欲不振、煩躁不安、動作異常、便に未消化物が残り、臭い。 舌質淡舌苔膩、脈沈細滑

【分析】
脾胃気虚による運化低下

【立法】
消積健脾助運 

【方剤】
肥児丸(人参、茯苓、白朮、黄連、胡連、使君子、神曲、麦芽、山楂子、蘆薈、甘草)

【中薬】
補気 : 人参、党参、山薬、黄耆、白朮、大棗、飴糖、蜂蜜
理気消食 : 香附、陳皮、厚朴、砂仁、山楂子、神曲、麦芽、枳殻

【食材】
補気 : 長芋、じゃがいも、干し椎茸、栗、鶏肉、豚の胃袋、牛肉、たうなぎ、粳米

 

3.乾疳

【症状】
顔色がこう白、極度消痩、皮膚乾燥、しわが多い、髪の毛が乾燥、老人のよう、元気がない、食欲不振、泣く力がない、下痢か便秘、時に発熱、舌質淡嫩、舌苔少、脈細弱 

【分析】
脾胃気虚がひどい状態による気液不足

【立法】
補気益血 

【方剤】
八珍湯(人参、白朮、茯苓、炙甘草、当帰、川芎、白芍薬、熟地黄)

【中薬】
補気 : 人参、党参、山薬、黄耆、白朮、大棗、飴糖、蜂蜜
養陰益胃 : 麦門冬、石斛、玉竹

麻疹

 ウイルスによる引き起こされる発熱、咳、鼻の詰まり、鼻水、涙、全身に赤い発疹を特徴とする呼吸器官の伝染病です。 疹の大きさが胡麻のようなので、麻疹といわれています。

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 麻疹は1年中発病がありますが、主に冬・春に流行りやすい感染性の強い伝染病です。 6ヶ月以上5歳までの幼児の発病率が高く、1回発病されると終身免疫となります。

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 メカニズム

疫癘時邪が口鼻から肺に侵入し肺衛の症状が現れ、邪気が進んで脾に侵入し、気と津液を消耗される。

しかし、順調に発疹(順証)せず、臓腑に侵入内陥されると、逆証(悪化した状態)・険証(危険な状態)となり、命を落としてしまうことがある。

 

【逆証(悪化した状態)】

  • 麻毒閉肺 : 発疹不暢、持続高熱、咳、喘息、呼吸困難
  • 邪入肺胃(熱毒攻喉) : 発疹不暢、持続高熱、咽喉腫痛、声の嗄れ、咳の声が犬の吠える声のよう
  • 熱移大腸 : 下痢
  • 毒結陽明 : 口内炎、牙疳(はぐきの化膿)
  • 迫血妄行 : 出血

【険証(危険な状態)】

  • 邪陥心肝 : 高熱、うわごと、煩躁、発疹不暢、疹色黒紫・斑、ひどくなると意識不明、痙攣
  • 心陽虚衰 : 発疹不暢、疹色薄い、顔色灰白、四肢厥冷、脈微弱

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治療

「麻」は陽毒のため、治療には発表透疹、清熱解毒の方法を中心とし、時期に合わせ、透発・解毒・養陰を行うが、透発の時に津液を消耗しないこと・解毒の時に寒涼しすぎないこと・養陰の時に邪気を止めさせないことに注意する。

順証の弁証論治施膳

1.疹前期(初熱)

【症状】
発熱・微悪風寒・くしゃみ・鼻詰まり・鼻水・咳・瞼赤・なみだ・嗜睡。 発熱の第2~3日から口内の粘膜が赤くなり・奥歯の横に麻疹粘膜斑、尿少黄色、または下痢。 舌苔薄白・黄色

【分析】
麻疹時邪が肺を侵し、肺気不宣、衛気と邪気が体表で戦う

【立法】
辛涼透表、清宣肺衛

【方剤】
宣毒発表湯(升麻・葛根・枳殻・防風・荊芥・薄荷・木通・連翹・牛蒡子・竹葉・甘草・前胡・桔梗)

【食薬】
辛涼解表類

 

2.出疹期(見形)

【症状】
持続発熱・疹が潮熱による発疹・瞼赤・目やにが多い・のどが渇く・咳がひどくなる・煩躁・嗜睡。 舌質紅舌苔黄・脈数

発疹の順番 : 耳後 → 顔面 → 頚 → 胸 → 腹部 → 四肢 → 手・足の裏・鼻先端

疹の状態 : 細小・希少 → 密 → 赤 → 暗紅 → 凸

発疹から完全に透発するまで約3日間

【分析】
熱により発疹することは麻疹に必ずある過程である

【立法】
清熱解毒透疹

【方剤】
清解透表湯(西河柳・蝉蛻・葛根・升麻・紫草根・桑葉・菊花・甘草・牛蒡子・銀花・連翹)

【食薬】
辛涼解表類、清熱解毒類

 

疹回期(回復)

【症状】
疹が完全に透発した状態。 熱が下がり、咳が減軽、皮膚が麩のように脱屑(フケ)、色が沈着。 精神が元気に回復、食欲が増加、舌質紅舌苔薄浄、乾燥。

【分析】
邪退正復、陰液損傷

【立法】
養陰益気、清解余邪

【方剤】
沙参麦冬湯(沙参・麦問冬・玉竹・甘草・桑葉・白扁豆・天花粉)

【食薬】
滋陰類、清熱類