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北京研修旅行に参加して
中医薬膳師4期生 高島蓉子
 
   6月25日〜29日の4泊5日の日程で北京研修旅行に参加しました。反日デモ騒動、連日40度前後の異常気象等の事前情報があり少なからず心配を抱えての出発でした。
   しかし、北京の街は至極平和で、皆さん大変親切で友好的でした。気温も前半多少雨が降り、しのぎ易く、後半30度を超す日はありましたが天候にも恵まれ、快適なそして実りある研修旅行を無事終える事が出来ました。
   初日、今回の研修旅行最大のイヴェント「国際薬膳師(士)資格証書授与式」、「国際薬膳貢献奨表彰式」、そして「中日薬膳学術シンポジウム」が世界文化遺産である頤和園会場にて厳かにしかし熱意のこもった雰囲気の中で執り行われました。中国薬膳研究会会長周文泉教授からは熱意ある暖かいお祝いのお言葉を賜りました。我が院長劉海洋先生からは日本本草薬膳学院の設立の経緯、教育内容の説明、将来の抱負など伺い、劉先生の尽きぬ意欲と向上心に心打たれるものを感じました。
   資格証書を授与された方々からは、長年に亘る猛勉強の賜物であり、その喜びがひしひしと感じられました。薬膳を始めたばかりの駆け出しの私には、皆様の自信に溢れたお顔は崇高に気高く、そしてこれからの道のりの長さを思い知らされ身の引き締まる思いがしました。
   シンポジウムでは沙鳳桐教授から「中医眼科養生食補」について、本学院顧問鷲見美智子先生からの日本料理の薬膳的考察「五目寿司」についてでは、「夏の食材に従来使用しない緑豆や中薬の使用に違和感は無く伝統的な日本料理に中医学理論を取り入れることは有意義である」との興味ある発表がありました。又、薬膳健康づくり会会長上野多恵子先生からは「21世紀の薬膳を考える」と題して「いのちと食」「栄養学と中医栄養学をあわせて食生活を考える」「糖尿病の為の薬膳」の発表を頂きました。中国薬膳研究会副会長高晋教授の「養生食補薬膳は心血管疾病においての応用」に関する発表は、我々がこれから学ばなくてはならない重要課題で大変参考になりました。日本国際薬膳師会常任理事大井上先生からは「老化に伴い認知症の増加を憂う」と題しアルツハイマー病の弁証、これに対する施膳など大変参考になる発表を頂きました。日中高名な先生方から多彩な研究発表を頂き帰国後の再学習課題に押し潰される思いがしました
   研修旅行での食事は到着日夕食の広東料理から始まり頤和園での聴麓館宮廷御膳、北京植物園薬植所での中華御苑薬膳、労働人民文化宮での宮廷素膳、有名な魯菜(山東)ダック、紹興料理、老北京料理等々、どの食事をとっても20種類以上もある超豪華・多様な料理で参加者全員大々満足でした。
   頤和園、故宮博物院、天安門、天壇公園、万里の長城等、世界文化遺産の観光ではその壮大さに心打たれ、又連日2万歩を超す強行軍をこなされた大井上先生、上野先生の健脚・健康振りに下を巻き薬膳成果を垣間見る思いがいたしました。
   今回の研修旅行に参加し奥深い中医学薬膳に接し、これからの長い長い道のりを思い知らされました。がんばります。